ルービックキューブ攻略に挑む

私は、ルービックキューブを自力で揃えられる人を直にみたことがない。
テレビやネットではあるけれど、
私の周りにはいなかった。
シールを剥がして、色を揃えるという強者はいたけれど…

色が揃っておいてあるのも、
おもちゃ売り場の売っているものだけ。よそではみたことがない。
1面だけなんとか頑張った名残のものはあっても、いつもバラバラのものばかり。

初めての挑戦
スタート
息子よ…
猛特訓
タイ旅行

初めての挑戦

何とか揃えてみたいと思って
10年ほど前自分で購入してみた。

でも5分であきらめた。

気合い十分で始めたけれど
やっぱりこれは
天才がやるものなのだと思った。

長らくほったらかしにしていると
すごく動きが悪くなっていて
家の整理をしているときに
さようならした。

頭の片隅には、
できるようになりたいがあった。
でも諦めてしまった過去があるから
また絶対できなきだろうと
ストッパーがいつもかかる。

ちょうど引っ越しをして
仕事をせず家にいた時
やっぱりやってみたいが再燃。
それを主人に話すとささっとネットで
注文してくれ、次の日に届いた。
それもなぜだか同じものが2つ入っているセットのものを。

スタート

主人を巻き込んだこともあり、前より簡単には諦められとハードルがあがった。まあそれもあるから、前よりは頑張れるはずだとスタートしてみた。

戦略①取扱説明書

まずは、
同封されていた説明書の方法を試してみた。
まったくのちんぷんかんぷんだった。
取説見て、ルービックキューブを動かすと、
次は取説のどこをするのかがわからなくなった。
いくつもの手順を
取説→ルービ→取説→ルービとやっていっても、
一向に手順を覚えれない。
こりゃーダメだとまずは取説での
クリアは諦めた。

戦略②YouTube

次はYouTubeを見てやってみた。
これなら、手元を見ずに、
画面だけを見てできるから簡単だろうと。
スロースピードにして、何回もみながら、
手順をすすめる。
動画みて、
『こうやって、こうやって、こうやって、こうやって、こう』
と言いながら何度も練習。

次の手順にいっても
『こうやって、こうやって、こうやって、こう』。
さっきの一つ目の手順にもどって
はじめようと思うと

こうやってはどうやって？

もう頭から吹っ飛んでる。
これもだめだ。

戦略③文字起こし

そこで私が思いついたのは、
こうやっての手順を
文字起こしすること。
私がやりやすい言い回しで。

例えば
一番上の段を時計回りに1回まわす→上時
一番上の段を反時計回りに1回まわす→上反
左の列を下に1回まわす→左下
手前の面を時計回りに1回まわす→手前時
という具合に。

これを四六時中、念仏の様に唱えて、
ひたすらパターン覚えた。
1パターンを覚えたら、
手を動かしてみる。
2パターン目を暗唱できたら、
手を動かして、1パターンと2パターンを続けてという具合に。
ぼちぼちと頑張った。

息子よ…

そんな時小1だった息子が
何をしているのかと聞いてきたので、
これはルービックキューブというもので、
このパターンを暗唱して
全部揃えられるようになろうと母は思う。
と説明し、文字に起こしたものをみせた。

そしたら3日後、
息子はいとも簡単に暗記して、
何も見ずにひょーひょーと
できるようになっていた。

あの時の悔しさは忘れない。

私はまだできないのに。

私が初めてみたルービックキューブを
揃えられる人は息子となってしまった。
私自身でありたかった。

息子ができるようになったことを
素直に喜んではあげられなかった。
大人げないのはわかるが、ダメだった。

猛特訓

それからもう特訓した。
ほんと四六時中唱え続けた。
そして息子ができるようになってから
1週間後、完璧にできるようになった。
息子は学校で主人は仕事。
私一人だったけれど、両手をあげ、
雄叫びをあげた。
本当にうれしかった。

そして帰ってきた息子に披露すると
自分のことのように喜んでくれた。
あー偉い息子だ。
私はそんなに喜んであげられなかったと
反省した。

それから応用編の2×2、4×4、5×5も
文字おこしをして、
2人揃ってできるようになった。

何にも役にたたないかもしれないけれど、
2人でできる楽しい趣味。

タイ旅行

息子が小3の時、
家族旅行でタイに行った。
ナイトマーケットに行って食事をしていた時、
となりの席の現地の方々と仲良くなって
一緒に飲むことになった。
そこには、うちと同じ年くらいの
男の子がいて、スマホでぽつんと
一人ゲームをしていた。
息子がとなりから静かに覗き込んでも
嫌がることもなく、
でも言葉が通じないから
会話するでもなく、
二人で肩を並べて座っていた。

私たち夫婦は現地の方々と盛り上がり、
子どもそっちのけになっていた。
そしてふと子どもたちを見たら、
息子が時間潰しにと持っていた3×3の
ルービックキューブを手にして、
2人で言葉のないやりとりをしていた。
あー役にたつことがあった。
とてもうれしかった。
別れ際、家にもう1つあるからと
出会えた記念にプレゼントした。

とても素敵な出会いだった。
すごく楽しかった。
我が家の最高の思い出。